【子宮内胎児死亡】入院1日目血液検査

妊活


妊娠週数25週0日・7ヶ月で死産になりました。

まさかこんな事になるなんて、今でも娘がお腹にいるような気がする。


出産後1ヶ月が経ち、そろそろ身体も回復してきて少しずつ動けるようになった。

私に起きた今回の出来事を忘れないように記録しておこうと思う。




【1日目】血液検査・点滴・処置説明

【2日目】水分で膨らむ棒を子宮口へ〜1回目

【3日目】水分で膨らむ棒を子宮口へ〜2回目

【4日目】子宮口を柔らかくする点滴

【5日目】陣痛促進剤(膣座薬)

【6日目】陣痛促進剤(膣座薬)&出産

【7日目】退院




妊娠24週2日、土曜日妊婦健診に行った。

いつも通り朝一の予約。いつもより1本遅いバスに乗ってしまって少し早歩き、いやちょっと走りぎみで病院へ向かう。

この日お昼に友達が来訪予定だったのでお昼の仕込みを途中まで進めて外出した。



受付後、採尿・血圧・体重測定を済ませ診察室の前のソファで順番を待つ。

名前を呼ばれ診察室へ。この日初めて院長先生の診察を受けられるので少し楽しみにしていた。



腹部エコーで診る為、ベッドへ横になりお腹を出す。助産師さんがお腹の測定をする。

院長先生に「24週2日ですね」と聞かれ診察開始。



先生「体重はよく管理されてて順調ですね」と褒められる。

私「でも最近体重が減ってきている気がします」

先生「でも病院の同じ体重計で測ってこの増え方なら順調ですよ」


そっか、そうだよな。同じ体重計で測って順調に増えてるならそれが正しいよな、と頭の中で考える。


腹部にジェルが塗られエコー開始。

先生が画面を見ながら腹部をぐるぐる。

私も画面を見ながら赤ちゃんの心臓を探す。

前回と違い、心臓や部位がどこにあるのか全く分からない。

アップで表示されてるのかな?どこを見ればいいか分からないなー。


先生「前回から大きくなってないね」

私「はい」

大きくなってないの?成長が止まってしまった?どういうこと?


エコー画面が静止する。


先生「ここを見て下さい。これは頭なんだけど、こう潰れてるの分かる?通常は丸い形だからこんな状態はありえない」

私「はい」

頭が潰れてるって?どうやって治すの?どうやって治療するんだろう?


エコー画面が切り替わる。


先生「落ち着いて聞いてね、心臓が動いていません。ここ心臓なんだけど動いてないでしょ」

私「はい」

そう言われても動いていない心臓がどこにあるか分からない。


先生「すぐにご入院して頂く事になります」


エコー検査が終わり助産師さんがお腹のジェルを拭き取ってくれる。

私は服を直してそのままベッドに座る。


先生「急な事で整理がつかないと思うんだけど、胎児が亡くなっている場合は早く出してあげないと母体が危険になります。へその緒が繋がってるので、悪いものが逆流してくると危険です。今日はこのままご入院して頂きますが、今は頭がぼーっとしてると思うから1人では帰せません。着替えなどはご主人に持ってきてもらいましょう。ご主人は今どちらに?」


私「今外出してますが連絡は取れます」


先生「それじゃあご主人と連絡を取って頂いて、病院に来てから一緒に詳しく説明しますね」

私「はい。あの、2〜3週間前に胎動が分からなくなって、その頃強い腹痛があったんですが、その時に診てもらっていたら良かったんでしょうか?」

先生「まずその痛みは関係ないと思いますよ。胎動を感じなくなって受診される方はいますけど、その時に診察して何か異常があっても出来る処置はないです。こういう事は誰にでも起きる事で年齢も関係ないし、20代の人でも突然起こる事です。この週数まで順調だったという事は染色体とかそういう異常もない健康児だっと思いますよ。誰にでも起きる事ですからね。」

私「そうですか」


この時の腹部エコーでの場面を1ヶ月程経った今でも思い出す。

この死亡宣告された時の衝撃は一生忘れないと思う。


助産師さんと別室に移動して入院の説明を受ける。入院で必要な物、自宅から持ってくる物の説明や、夫に連絡を取って何時頃に来れそうかなど、助産師さんが話している途中、それまで平然と会話をしていたのに急に涙が出てきた。

私「すみません、なんか急に実感が出てきて」

助産師さん「大丈夫ですよ、我慢しないでね」

ダメだ、泣いちゃダメだと涙を止める。

一通り説明を聞いて入院申込書にサインをする。


病室に移動して病衣に着替える。


こんな状況なので個室を勧められ、個室にしてもらった。
あとで気付いたけれど、1番奥の部屋だったので配慮してくれたんだと思った。
入院中は赤ちゃんの泣き声が頻繁に聞こえるし、大きい声のスタッフさんとママのやり取りも聞こえる。
授乳など育児の会話などがなるべく聞こえないようにみんなと離れた部屋にしてくれたんだ。


助産師さんが病室を出たり入ったりしていたので、一人になる度に夫に電話を掛けてみるも出ない。

とりあえず「これから入院になったから連絡ちょうだい」とLINEを入れておく。

夫は休日早朝から近所の川へ釣りに出掛けている。
いつも「釣れたよ〜」とメッセージと写真が送られてくる。

私からは滅多に連絡をしないので、スマホを鞄に入れてて気付かないんだろうなーと思った。

いつもお昼前には「帰るよ」と連絡があるので、あと1〜2時間で連絡は取れる。


お昼に来訪予定だった友人に断りの連絡をする。


若いギャル風な看護師さんが点滴準備。
私が泣いていない事を心配してくれたのか、「急に入院になって不安ですよね。今までの診察内容はもちろん、前回ダウン症の検査を気にされてた事とか私達は全部知ってますから、なんでも話して下さいね」

そんな様な事を言われて涙が出る。でもすぐに涙を止める。

そういえば前回の健診で、エコー検査でダウン症かどうか分かりますかと質問した。

妊娠中は無事に産まれる事も心配だけど、ダウン症やその他の病気だったら…そんな心配もしていた。心配だらけの毎日だった。


入院した個室が最初めちゃくちゃ寒くて暖房も入っていなかった。
そのせいか私の血管が全然出てこなくて、左腕に2箇所針を刺されるが失敗。
ギャル風の看護師さんからちょいベテラン風の看護師さんに変わって右腕に1箇所針を刺され失敗。
この看護師さんと何か世間話をして笑った。覚えていないけど何か面白い事で笑った。
そして話の流れで「自分が今生きてる事が奇跡だって思ったらいいよ」と言われる。
なんでそんな会話になったかは覚えていないけれど、「奇跡、あー本当にそうだよなー」と思った。

更にベテランな感じの看護師さんが来て右腕に再トライ。4回目でやっと点滴が開始された。


1時間後夫から着信。

深呼吸をして電話に出る。

夫「さっちゃん大丈夫?入院てどうしたの?」

私「赤ちゃん死んじゃった」泣き出す。

夫「え?なんで?」

私「心臓が動いてなかった。詳しい説明は病院に来てから一緒に聞けるみたい。何時に来れそう?」ちゃんと話さなきゃと涙を止める。

「一旦帰ってもらって、着替えとか必要な物を持って来て欲しい」

夫「2時間くらいで病院行けるかな」

私「じゃあ病院にそう伝えるね」

とりあえず夫が来る時間も決まり一安心。

持ってきてもらう物をリストアップする。


お昼になってご飯が運ばれる。

点滴も入院も初めて。入院て病室の人の出入りが結構あるなー。

お昼のメニューはうどんと天ぷら、酢の物など。
写真を撮って夫に送る。夫と電話しながらご飯を食べる。
食欲はないけれど食べ始めたら意外と食べられて結局完食した。

そんな自分にびっくり。
これから出産しなきゃいけないと、無意識で体力を付けようとしていたのかもしれない。





時間になり夫が病院に到着。ロビーで再会し少し涙が出た。


朝と同じ診察室に通され夫と2人で先生の説明を聞く。

【亡くなった原因】

安定期を過ぎて亡くなる原因は9割がへその緒が絡まったりそういった事なので、見てみないと分からないがおそらくそうでしょう。


【処置説明】これからの流れ

胎児からへその緒を通して悪いものが母体に流れると良くないので、そうならない処置として点滴をしています。この点滴は退院までずっとしてもらいます。
(詳しくは忘れたが母体の出血が止まらなくなってしまったりするらしい)

24週で出産となると微妙な時期だし、今日から三連休でスタッフが少ない、何か起きた時に万全の体勢ではない事が心配。子宮に負担を掛けないように様子を見ながら処置を進めていきますね。

まずは今日(入院1日目)血液検査をして、明日検査結果が出てから処置を始めます。

自然に陣痛が来たらそれが1番良いんだけど、陣痛が来なかったら明日(入院2日目)の夕方から綿棒の様な水分で膨らむ棒を数本子宮の入り口に入れて柔らかくしていきます。
海藻の成分で出来ている棒で、ふえるワカメのように水分で膨らみます。
これで陣痛が来なかったら翌日(入院3日目)は棒を太くして本数を増やします。

(入院4日目)子宮口を柔らかくする点滴を入れて陣痛を促します。

多分ここまでが妊娠22週までの流産死産の処置なんだと思う。
勝手な予想で確認していないけれど。

(入院5日目)それでも陣痛が来なかったら膣座薬(陣痛促進剤)を入れて陣痛を起こします。
おそらくこの日で産まれるでしょう。

もし産まれなかったら翌日(入院6日目)も同じ膣座薬を入れます。

退院は木曜〜金曜になると思います。

土曜に入院したので約1週間の入院。



先生から何か質問はありますか?と聞かれて夫が応える。

夫「この処置によって妻の命が危なくなる事はありますか?」

先生「出血が止まらなくなる事があるので、そうならないように点滴を開始しています。」

夫「また妊娠できますか?」

先生「もちろんまた妊娠ができるように、子宮に負担が掛からない処置をしていきます」

夫「出産後いつから妊娠ができますか?」

先生「通常だと出産後半年〜1年子宮を休ませてもらいます」



質問はこれくらいだったかな?

あとは、出産後の役所の手続きについて、死産届を自治体に提出して火葬許可証を貰う事などを教えてくれた。

火葬までの手続き全てを請負う業者を紹介出来ますよとの事だったけど、私達は自分で全て行うことにした。私は当分動けないので全て夫にお願いする事になる。

出産費用について、入院から出産前日までは保険適用診療になる。
出産以降の処置や入院費用は出産一時金で賄える。
私の場合40万8千円が適用になりました。


先生の説明の後、別室で夫婦2人だけの時間を設けてくれました。

一緒に泣いて悲しんで、今後の事などを話し合う。
やるべき事は色々あるけれど、赤ちゃんに名前を付けてあげなきゃね。
私達親からは名前をプレゼントする事しかできない。
この時まだ性別が判明していなかったので、男の子は夫、女の子は私が考える事になった。

夫はかなり泣いたのか目が腫れていた。

こんなに悲しい思いをさせてしまってごめんね。
私よりも夫の方が落ち込んでいるのかもしれない。
楽しみにしていたもんね。

毎日お腹に話しかけ、私よりも私の体調を気にかけてくれていた。
幸せな日々が一気に終わってしまった。


夫が帰ったので病室に戻る。

翌日予約していた妊婦歯科検診のキャンセル電話をする。


家族に連絡しなきゃと思うけど、連絡をするのがとても辛い。
電話をすると絶対泣いてしまう、上手く話せないと思う。

とりあえず母にだけ電話する。

状況を伝えると母も私も泣いた。
母は最初の妊娠23週で死産を経験している。

その話を昔からよく聞いていたし毎年命日にはお参りに行っていた。
私も命日には「今日はお姉ちゃんの命日だなー」と今も毎年思い出す。
1人目の妊娠で死産という経験を私もする事になった。

母が「あんなに辛い痛い思いをしなきゃいけないなんて可哀想で」と泣いていた。

少し落ち着いてきて先生から聞いた説明を話す。
時間をかけて処置を進めてくれるので「そんなに丁寧にやってくれていい病院だね」と言っていた。

母の時は出産後に顔を見せてくれなくてお腹だけ見せてくれたらしい。
抱っこもしていないので、「抱っこしてあげれば良かった」と後悔していた。
病院に言えば、顔を見たり抱っこもさせてくれたかもしれないけれど、当時はパニックで余裕が無いし「そういうものなのか」と疑問にも思わず、自分の要望を伝えられなかったらしい。



今回、エコー検査で赤ちゃんの頭が潰れていたので「きっと顔は見せてくれないだろうな」と思った。


顔が駄目ならせめて手や足だけでも見たい触りたい抱っこしたい。
それだけが今の唯一の願いだった。






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